September 21, 2026

― 日本の「侍スピリット」をもう一度 ―
戦後、日本は焼け野原から立ち上がり、世界でも類を見ない高度経済成長を遂げました。
そして1980年代、日本企業が世界経済の中で大きな存在感を放っていた時代。
テレビからは、
「24時間戦えますか。」
という強烈なメッセージが流れていました。
もちろん、今の時代に「24時間働け」と言いたいわけではありません。
長時間労働を美徳とし、社員の健康や家族を犠牲にするような働き方に戻るべきだとも思いません。
しかし、私は時々考えます。
働く時間を減らすことと、仕事に対する情熱まで失うことは、同じなのだろうか。
世界を席巻していた日本企業
かつて日本には、多くの半導体メーカーがありました。
家電の世界でも、ソニーをはじめ、数多くの日本ブランドが世界中で存在感を放っていました。
「Made inJapan」は、品質と技術力の象徴でした。
では、それから数十年。
世界の産業構造は大きく変わりました。
半導体、スマートフォン、クラウド、AI。
新しい巨大産業が次々と誕生し、世界の競争環境も大きく変化しています。
日本国内でも、円安、物価上昇、少子高齢化、人手不足、後継者不足など、企業を取り巻く環境は厳しさを増しています。
特に私たち中小企業にとって、これからの10年は非常に大きな転換期になると感じています。
変化を恐れ、これまでと同じことだけを続けていて、本当に生き残れるのか。
私は経営者として、強い危機感を持っています。
それでも、日本はまだまだ捨てたもんじゃない
私は、それでも日本の可能性を信じています。
なぜなら、私たちの中には、戦後の日本を世界有数の経済大国へ押し上げた世代から受け継いだものがあるからです。
何もないところから工場をつくる。
技術を磨く。
昨日できなかったものを今日つくる。
海外企業に負ければ、さらに良いものをつくる。
「無理だ」と言われれば、
「どうすればできるのか」
を考える。
私は、これこそが日本のものづくりを支えてきた「侍スピリット」だったのではないかと思っています。
尊敬する稲盛和夫氏は、「誰にも負けない努力」の大切さを説かれました。
私は経営者として、この言葉を非常に大切にしています。
経営者は会社の未来を考え続ける。
社員とその家族を守る。
お客様に必要とされる会社であり続ける。
そのために、誰よりも考え、誰よりも行動する。
大切なのは「何時間働いたか」ではありません。
どれだけ本気で仕事に向き合ったか。
だと思っています。
DenGXは、小さな会社です
DenGXは決して大企業ではありません。
社員数も多くありません。
資金力も、大企業とは比較になりません。
研究者が何百人もいるわけでもありません。
だからといって、
「小さい会社だからできない」
とは考えたくありません。
むしろ私は、
小さい会社だからこそできることがある。
と思っています。
意思決定が速い。
面白い技術を見つけたら、すぐに動ける。
昨日まで全く違う分野だったとしても、可能性があるなら勉強してみる。
専門家と出会えば、一緒にやれる方法を考える。
そして失敗したら、また次を考える。
これが中小企業の強さではないでしょうか。
電子部品から、電力へ。そして、その先へ。
DenGXも、長年培ってきた電子部品事業だけにとどまらず、新しい挑戦を続けています。
電力事業へ進出し、逆潮流防止装置や瞬時デマンド制御装置を開発しました。
そこから太陽光発電、蓄電池、エネルギーマネジメントへと領域を広げています。
さらに今、次世代エネルギーやAI、IoT。
そして将来的な食糧問題を考え、スマート養殖の可能性にも目を向けています。
一見すると、
「電子部品の会社が、なぜそこまで?」
と思われるかもしれません。
しかし、私たちの中ではすべてつながっています。
エレクトロニクス× エネルギー × AI × IoT。
テクノロジーを使って社会の課題を解決する。
それがDenGXの挑戦です。
「小さな会社でも、ここまでできる」を証明したい
私には、もう一つ目標があります。
それはDenGXだけが成功することではありません。
DenGXが一つのモデルケースになることです。
日本には、素晴らしい技術を持った中小企業がたくさんあります。
素晴らしい職人がいます。
素晴らしいアイデアを持った経営者がいます。
しかし、
「うちは小さい会社だから」
「資金がないから」
「人がいないから」
「大企業には勝てないから」
と、最初から諦めてしまったら何も始まりません。
だからこそDenGX自身が挑戦したい。
社員数が少なくても。
資金力が大企業ほどなくても。
地方の企業や研究者、大学、海外企業など、さまざまな人たちとつながり、それぞれの技術を組み合わせれば、新しいものを生み出すことができる。
そしていつの日か、
「DenGXにできたのだから、私たちにもできる。」
そう思ってもらえる会社になりたい。
それが実現できれば、DenGXの挑戦は自社だけのものではなくなります。
一社の成功が、二社目の挑戦を生む。
二社目の挑戦が、三社目を生む。
そんな連鎖が日本中に広がったら、日本の中小企業はまだまだ面白くなると思っています。
福島から、新しい挑戦を
そして、私たちが現在注目している場所の一つが福島です。
震災からの復興だけではなく、
「福島から新しい産業を生み出す。」
そんな挑戦ができないかと考えています。
次世代エネルギー。
AI。
IoT。
スマート養殖。
新しい研究開発。
そして、そこから生まれる新しい雇用。
福島で生まれた技術や商品が、日本全国へ、そして世界へ広がっていく。
もしそんな未来をつくることができれば、非常に意味のあることだと思います。
復興とは、元に戻すことだけではない。
以前にはなかった新しい産業をつくることも、復興の一つの形なのではないでしょうか。
侍スピリットは、なくなっていない
これから日本の企業を取り巻く環境は、さらに厳しくなるかもしれません。
AIによって仕事も変わります。
世界との競争も激しくなります。
中小企業の再編も進むでしょう。
だからこそ、必要なのは悲観することではありません。
挑戦することです。
日本には技術があります。
人材があります。
ものづくりの文化があります。
そして何より、
「やってやろう」
という人たちが、まだたくさんいます。
私は、それを「侍スピリット」と呼びたい。
侍スピリットは、なくなったのではありません。
もう一度、呼び起こせばいい。
そしてDenGX自身が、その先頭を走ってみたいと思います。
大企業ではありません。
小さな会社です。
だからこそ、意味がある。
「小さな会社でも、世界に挑戦できる。」
「小さな会社でも、新しい産業をつくることができる。」
「小さな会社でも、日本を元気にすることができる。」
DenGXがそれを証明する会社になれればと思っています。
いつの日か、私たちの挑戦を見た日本の中小企業の経営者や若い人たちから、
「DenGXにできたんだから、自分たちにもできる。」
と言ってもらえるように。
挑戦を続けます。
エレクトロニクスで世界を幸せに。
そして、
日本のものづくりは、まだまだ捨てたもんじゃない。
株式会社DenGX
代表取締役 大草 幸一